①沖縄の気候・風土に適し、②戦前から食され、③郷土料理に使われている野菜。全ての条件を満たした野菜は、特に沖縄の「伝統的農産物」として、「島野菜」という呼び名で広く親しまれています。栄養価が高く、抗酸化力にも優れていることがわかってきている島野菜。京野菜や加賀野菜などのように、沖縄を訪れたら必ず食べていただきたい食材です。
教えてくれた人堀 基子さん|野菜ソムリエ上級プロ|
東京から何度も沖縄に通ううちに、沖縄の文化や大自然に惹かれて家族とともに移住(24年目)。本土にはない島野菜の美味しさや奥深さに魅せられて、野菜ソムリエ上級プロ資格を取得し、現在は沖縄の野菜ソムリエ10名のチーム「ベジコラボokinawa」を率いるなど島野菜の普及活動に尽力する。
古くから沖縄には、ご馳走を食べた後に、「ヌチグスイ(命薬)やっさ」と言う習慣があるなど、食事が命の源であるという考え方があります。琉球王朝時代に編纂された『御膳本草』には、沖縄産あるいは沖縄で入手できる約300品目もの食材が取り上げられ、その中でも島野菜は健康を支える医食同源の食材として位置づけられてきました。
宮古島は沖縄県の中でも島野菜が豊富に採れる産地。特に冬瓜は全国区で有名です。また、宮古島独自の呼称があるのも特色。たとえば沖縄本島では「ゴーヤー」と呼ぶのに宮古島では「ゴーラー」と呼ぶそう。種類も豊富なため、今では各方面の料理人から注目を集めています。
その年間量が北海道の2倍程度と言われている沖縄の紫外線に負けないように、沖縄の島野菜には強力な抗酸化作用があることが長年の研究でわかってきました。デトックスや元気をチャージしたい方に食べていただきたい食材です。