コンプライアンス
1. 基本的な考え方
現代社会におけるコンプライアンス(法令等遵守)は、法令を遵守することや、法令に準拠して国が定めた通達に基づき策定された運航規程、整備規程といった社内規程を遵守することだけでは十分ではありません。コンプライアンスの本質は、企業に対する社会的要請を正確に把握してそれに応じた行動を確保することであり、法令違反ではなくても社会的非難を受けるようなことをしてはならないということまで含むものと考えています。
2. 推進体制
スカイマークでは「コンプライアンス規程」に基づき、コンプライアンス態勢を構築しています。業務執行取締役、常勤監査役および執行役員で構成されるリスク管理委員会において、コンプライアンス態勢のモニタリング等を行い、社内のコンプライアンスに関する事項を一元的に管理する内部統制推進室に対して指示または助言を行います。また、社内のコンプライアンスの状況については、定期的に内部統制推進室が取締役会に報告しています。このほか、各本部および各空港支店にコンプライアンスオフィサーが設置され、内部統制推進室と連携して部門内のコンプライアンス態勢の強化を推進しています。
3. コンプライアンス教育の実施
役職員一人ひとりが、コンプライアンスに関する正しい知識を身に付け、適切な判断に基づき行動することができるよう、コンプライアンス教育を実施しています。毎事業年度、内部統制推進室がコンプライアンス教育の実施計画を策定し、新入社員研修、空港支店における研修、役員向け研修、内部統制推進室が委託する弁護士による研修などを実施しています。
また、航空運送事業者であるスカイマークは、安全管理システムを構築し、これを機能させることが求められています。安全管理システムとは、安全に係るリスクを管理するための仕組みであり、安全上の情報の収集・共有、ハザードの特定、そのリスクの分析、必要に応じた是正措置の実施、講じた是正措置の有効性の評価といった安全に係るリスク管理の一連の活動をいいます。この活動を適切に実施できるよう、安全管理の観点からもコンプライアンス教育を徹底しています。
4. ハラスメント防止への取り組み
パワーハラスメント防止対策の義務化などが定められた改正労働施策総合推進法が2020年6月1日に施行されたことに伴い「ハラスメント防止規程」を改正しました。また、定期的に「ハラスメント・職場環境アンケート」を実施し、社内のハラスメントや職場環境の状況把握に努めており、その調査結果をコンプライアンス研修に反映させ、社員にとってより働きやすい職場環境になるよう努めています。
5. 内部通報制度
「内部通報制度運用規程」に基づき、内部通報に係る社外窓口および社内窓口を設置し、コンプライアンスにかかわる情報の把握および課題の解決に努めています。この通報窓口は、アルバイト、派遣社員などを含む役職員および1年以内の退職者が利用可能で、通報内容に関する情報には、原則として守秘義務が課せられ、通報をしたことおよび通報事案の調査に協力したこと等を理由に不利益な取り扱いが行われないことが約束されています。また、公益通報者保護法の改正および「公益通報者保護法に基づく指針の解説(消費者庁)」の公表を受けて、「内部通報制度運用規程」を改正しており、社内のリスク情報を可及的速やかに把握して自浄作用を発揮することが期待されます。
2021年のスカイマークの内部通報件数は100人当たり1.14件と、他社と比較しても多い水準にあり(株式会社エス・ピー・ネットワーク(社外通報窓口)取引先平均通報件数のおよそ2倍)、このことは社員のコンプライアンス意識の高さと内部通報制度の利用のしやすさを示しているものと思われます。今後も、企業価値の低下につながる事態の発生を予防するため、信頼性・実効性のある内部通報制度を維持していきます。
6. コンプライアンス違反が認められた場合
コンプライアンス違反が認められた場合には、就業規則に基づき懲戒処分を行うなど、厳正に対処しています。